チェコ共和国の首都プラハに移住して26年目に突入しましたが「元々チェコ語はできたのですか?」とよく訊かれます。
そのたびに毎回、「いや、できませんでした」と答えていました。
1997年3月にチェコに行きましたが、インターネットは出始めたころ。日本チェコ協会はございましたが圧倒的情報量が少なく、日本チェコ協会の存在すら知りませんでした。
1997年当時は在留邦人が200名弱。基本的に駐在員さんとそのご家族、大使館の職員とそのご家族ぐらいで、留学生も少なかったですね。チェコ人もそこまで英語が出来るわけではなく、チェコ語は必須でした。最初のころは飲み会に誘われても周りはチェコ人だけで、会話もチェコ語のみ。途中で寝てました(笑い。
そんな私も2000年の秋から夜間の語学学校に週二回通うことにしました。本当は初級から始めたかったのですが学校の方で中級に入れさせられました。最初の授業のことは今でも覚えております。カバの数え方なのですが、日本だとカバが一頭、二頭、三頭ですが、チェコ語だとjeden hroch, dva hroši, tři hroši。カバはhrochなのですが複数形だと4頭まではhrošiですが5頭以上だとhrochůになります。
正直動物園で働かないのでhrochという言葉を知る意義はなかったのですがそれからだいぶ経ってWBCチェコ代表をサポートした田久保賢植さんが所属したチーム、Hroši Brnoだったのも興味深い繋がりかなと思いました。
結局チェコ語をちゃんと勉強したのは週二回、2時間ずつの三か月ほどで、その後は勉強もしないままプラハで生活をすることに。プラハでは旅行業の仕事だったので常に日本語、英語、チェコ語の三か国語は使います。私は来た年の4月にプラハ市のガイドライセンスを取得しましたが試験は日本語の通訳官付き。日本人の観光客を案内するのでチェコ語ってそこまで大事ではないんですよね。バスのドライバーさんとは何語で?と訊かれますが実はドライバーさんはチェコ人、チェコのバスとは限らずドイツやポーランドのバス、ドイツ人やポーランド人のドライバーさんも多く、彼らには英語を使わないといけません。
チェコ語はそんな感じでしたが英語の方は幼少期に米国に住んでいたので全く不自由はなく、今でも英語の方が得意です。しかし、今回のWBCチェコ代表の宮崎事前合宿でテレビ局の取材で日本語チェコ語の通訳を頼まれましたのでこれからはチェコ語をやった方が良いのかなと思いました。
正直英語が出来る人は山ほどいます。二か国目の言語ならフランス語やスペイン語ではなく、チェコ語をお勧めします。何故か?
チェコ語を話す人口は世界で1000万人を超え、決して超マイナーな言語ではありません。
それにチェコ語をちょっとでも話せるとチェコ人との距離はぐっと近づきます。しかもチェコ語は西スラブ語系の言語なので出来るとスロバキア語やポーランド語、その他の東欧のスラブ語が何となくわかります。
チェコ語を習うのなら今です。日本チェコ協会ではチェコ語の初級講座が間もなく始まります。しかもオンラインなのでご自宅で受講できます。
文章は長くなりましたが、日本チェコ協会のチェコ語講座の宣伝でございました。
ご拝読、誠にありがとうございます。
合田哲郎
日本チェコ協会理事(HP担当)/ 日本チェコ協会プラハ分室長 / 日本チェコ協会/日本スロバキア協会法人会員
1974年大阪府生まれ。4歳から9歳まで米国ニューヨーク市に在住。1997年3月よりチェコ・プラハ市在住。チェコ共和国の永住権所持。
チェコ国家観光ガイドライセンス及び日本の全国通訳案内士(英語)の資格を所持。今春のWBCではチェコ代表の宮崎事前合宿でボランティア及び在京テレビ局の為にデータ集めと通訳を務める。最近チェコ語のポッドキャストもSpotifyで始めました。
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